ダブル・インバースの長期保有を見直す

ダブル・インバースの長期保有はよくないのだろうか?と考えてみる。
私は短期売買をしないので、一年くらい寝かせる予定だったが、これが危険な考えであることがわかった。

わかりやすく、日経平均が2万円、現在のダブル・インバースが1株1000円とする。

1.日経平均が一日で20000円から、15000円に下がったとする。
このとき、変動率は25%減であり、ダブル・インバースは50%増、1500円に上昇する。

これはだれでもわかるダブル・インバースの計算だ。

さて、二営業日以上にまたがる場合。

2.日経平均が一日で15000円に下がり、二日目に10000円に下がったとする。
このとき、変動率は25%減→33%減であり、ダブル・インバースは1000円から1500円→2490円に上昇する。

3.日経平均が一日で25000円に上がり、二日目に30000円に上がるとする。
このとき、変動率は25%増→20%増であり、ダブル・インバースは500円→300円に下降する。

こう考えると、上昇し続ける局面ではダブル・インバースは福利的に上昇することがわかる。1の例では日経平均が半減したのに対し、ダブル・インバースは50+66=116%上昇している。

また、下降し続ける局面(2)においても、日経平均が一日で50%増であればダブル・インバースは100%マイナス=ゼロ円になるところが、300円にとどまっている。そうした局面に強いことがわかる。

次に、日経平均が結果的に2万円に戻ったときの場合。

3.日経平均が一日で15000円に下がり、二日目に20000円に上昇したとする。
このとき、変動率は25%減→33%増であり、ダブル・インバースは1500円→510円(!)に変化する。

4.日経平均が一日で25000円に上がり、二日目に20000円に戻るとする。
このとき、変動率は25%増→20%減であり、ダブルインバースは500円→700円(!)に変化する。

上記でわかることは、日経平均が2万円あたりを「あがったり下がったり」する局面においては、ダブル・インバースはかなりしょぼい数値になるということである……。

もうすこし現実的な数値に置き換えてみよう。

20000円の日経平均が、4営業日に20500円→20000円→19500円→20000円……と、500円単位でゆらゆら動いたとする。このときのダブル・インバースは?

日経平均の変動率=+2.5%、-2.44%、-2.5%、+2.56%
(ダブル・インバースの変動率=-5%、+4.88、+5%、-5.12%)

1000円のダブル・インバースは、991.62円。実に0.8%以上減損している……。

ではこれをだいたい一年くらい、200営業日続けてみよう。つまり0.838%減を50回繰り返すことになる。

1000*(0.99162)^50=656円

これはどういうことかというと、日経平均は20000円をキープしているのにもかかわらず、一年寝かせたダブル・インバースは35%も下落しているのである……!

ダブル・インバースが長期保有に向いていないというのは、こういうことによるようである。自分で計算してみて、「そんなバカな」と思ったが……けっこう危ない道を歩んでいたことがわかった。明日からちょっとずつ売ろうと思う……。


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